この記事は『繊細さんの本』の書評記事になります。
・人の出入りや、電話の音などが気になって集中が途切れてしまう。
・どんな人にも気を遣って、ストレスが溜まってしまう
・仕事を進める時、いくつもリスクが思い浮かび、なかなか行動に移れない。
こんな悩みを抱える人は、もしかすると「HSP」かもしれません。
『繊細さんの本』はそんなHSPの人が、自分の特徴を理解し、楽に生活ができるようなアドバイスがまとまった本です。この記事では、本書の内容を簡単にまとめていますので、本の購入を悩んでいる方は、ご一読いただければ幸いです。
本書から学べること
本書から学べるのはこの3点です
- HSPとは?
- HSPと上手く付き合うには?
- HSPの人が上手く仕事をこなすには?
それぞれ解説していきます。
HSPとは?
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略。日本語にすると「非常に感受性が強い人」となります。
例えば、「人が気にならないような小さな音が気になる」とか「他人に気遣い過ぎて、思ったことをストレートに主張することができない」など、いろんな意味で敏感な人のことです。
本書では、そんな敏感すぎる人のことを「繊細さん」と呼んでいます。
HSPと上手く付き合うには?
HSPはその名の通り、敏感な人。普通の人が気づかないことでも感じとります。
本書ではHSPとうまく付き合うための方法を3つに分けて紹介しています。
- 普段での生活
- 人間関係
- 仕事上
例えば人間関係のパートでは、HSPの人が抱える人間関係上の悩みと、その悩みを解決するための方法を紹介しています。
繊細さんが感じ取る力は「相手の感情を察しやすい」「その場の雰囲気を感じる」という形で現れます。その結果として他人に気を使いすぎるとか、自分の考えを主張できないという悩みにもつながってしまいます。
解決策の一つとして、まず「感覚が違う」ということを理解することが重要となります。
HSPの方であればよく分かると思いますが、誰かの口調や仕草を見聞きして「今日は機嫌悪そうだな」とか感じたりしますよね。ただ、そういった感覚自体が普通の人には存在しないかもしれないんです。
繊細さんと普通の方の感じ方には大きな違いがあり、自分が当たり前に感じている感覚が、そもそも他の人にはない可能性がある。これを改めて理解すると、人との関わりが少し楽になるはずです。
言われてみれば当たり前のことですが、繊細さんにとっては繊細な自分の感覚が当たり前であり、わざわざ他人の感覚と比べたりはしないですよね。だからこそ、「そもそも感じ方が違うのでは?」と思うことが、楽になる第一歩につながるのです。
怒ってるように見えたけど、全然機嫌よかった。。とかあるあるですよね。
HSPの人が上手く仕事をこなすには?
繊細さんは色々なことを敏感に感じ取り、深く考えるが故に一気に複数の作業が重なるとパンクしてしまいます。また、じっくりと仕事に取り組む結果、仕事のスピードが遅いように感じがちです。(実際にはそこまで遅くないことが多いのですが。。)
それに対しては、2つの解決法があります。
まず1つ目は、「重要なものを選んで、ひとつひとつ終わらせていくこと」です。
繊細さんの強みは、一つのことにじっくり取り組むこと。その強みを活かすために、無理にマルチタスクをせずに、一個ずつタスクを消化していくことがポイントになります。そうすると「一つのことに集中できる」という自分の強みを発揮しながら、焦ることなくやることを消化していけます。
この時、無理に業務の優先順位をつけようとするとそれを考えることに時間を浪費してしまいます。一番重要なものを一つだけ取り出して、集中して取り組むのがコツです。
2つ目のコツは「気づくと対応するを分ける」ということです。
人よりも多くのことに気づく繊細さんは、気づいたこと全てに対応していたらパンクしてしまいます。なので、気づいても対応しないということが重要になってきます。
例えば、業務が忙しそうな新人を見つけた時、いつもなら自分が手伝ってあげたくなるところですが、グッと堪えて、少し様子を見てみるとか、他の時間ありそうな人にフォローをお願いしてみるとか、いろんな手段があると思います。
今まで「気づいたこと全てに対応しなくちゃ」と考えて、自分で自分を追い詰めていた人は、気づくことと対応することが別物だと意識するだけでも楽になるはずです。
個人的に一番印象に残っているポイント
自分の中で、一番印象に残ったのは、「人を嫌うことも必要」というお話です。
自分も経験になってしましますが、あの人苦手だなーと思っても、「いや、、あの人にも良いところがあるはず」とか、「苦手だという態度は相手を傷つけてしまわないか?」といったことを色々と考えてしまい、苦手・嫌いな人を遠ざけるのではなく、むしろ自分から近づいていってしまうということがよくあります。
よくよく考えれば、苦手な人には近づかなければ、相手も自分もハッピーなはずなのに、「避けられていると感じたら、相手が傷つくだろうなー」と考えて、無意味な気遣いをして、相手を傷つけまいと行動した結果、かえって自分を傷つけることになってしまうのです。
人を嫌わないということは悪いことではないけれど、「人を嫌うことはいけないことではない」ということを認識し直すきっかけになりました。どうやっても自分と合わない人っていますもんね。
最後に
いろいろと書きましたが、本書を読むべき人は以下のとおりです。
- 些細なことにストレスを感じ生きにくさを感じている人
- 人に気遣い過ぎて疲れてしまった人
- 敏感な自分なりに上手く仕事を回したい人
自分自身、物音に極端に敏感だったり、他人に機嫌がすごい気になったりとHSPの傾向があると思うのですが、本書を読んでから少し楽になりました。
なぜなら、自分が何に敏感なのかが分かり、それに対処する方法を知ることができたからです。
自分の敏感さに悩んでいる人はぜひ手にとってみてください。